マイナス 完全 版。 登場人物は自己中なクズばかり。マイナス2巻完全版2巻の感想。

寄生、精神崩壊。後に自白。マイナス5巻完全版の感想。

マイナス 完全 版

山崎紗也夏さんの漫画「マイナス」全5巻。 とある描写により、掲載誌が回収されたこともある問題作。 二十数年前の作品でながらく絶版となっていましたが、現在は電子書籍レーベル「ナンバーナイン」により完全版が復刻。 Amazon「」の対象にもなっています(2020年6月現在)。 なお本作品には、人によってはややショッキング・不快に感じるであろう内容・表現が含まれています。 読書の際はご注意を。 「マイナス 完全版」レビュー 概要 「マイナス」は、1996年から週刊ヤングサンデーに連載された作品。 え、「ヤングサンデー」なんて知らん?当時はヤンジャン・ヤンマガのように、小学館からヤンサンが出版されていたのです。 オリジナルの単行本は全5巻で刊行されましたが、雑誌掲載時に問題となった2話は未収録。 その後2004年に、エンターブレインより完全版全3巻が紙書籍で刊行(現在は絶版)。 さらに2018年、電子書籍レーベル・ナンバーナインから、オリジナル未収録の回を収録した「完全版」が全5巻で刊行されました。 作者の山崎紗也夏さんは、ドラマ化されたサスペンス漫画「サイレーン」など多数の漫画を輩出されている漫画家さん。 なお完全版の作者名は「山崎紗也夏」となっていますが、オリジナル刊行時の名義は「沖さやか」です。 あらすじ 高校の新任女教師・恩田さゆり。 誰からも一目置かれる美貌を持つが、幼き頃に父親から受けたDVにより、「人に嫌われること」を極度に恐れる性格。 他人の何気ない態度を見て、「きっ、嫌われたわ…!」と自意識過剰気味(それも過大な)に内省、周囲に受け入れられるであろう態度を取ろうとする。 しかし常人の理解を超えた感覚と発想により、とんでもない行為を繰り返す彼女。 尿意を我慢して生徒の対応を続けて失禁したり。 クラスの除け者であるガリ勉男子の視線を勘違いして性交渉を持ったり。 美人であることを妬まれたがために(評価を落とすよう)髪の毛を剃ったり。 突飛な行動で都度、窮地に陥る恩田。 それらを妙な開き直りで乗り越え、自らの肉体をも武器に、校内で自尊心が傷つけられないポジションを築いていく。 この「他人の目が気になる」という感覚。 誰もが多かれ少なかれ、持っているものではないでしょうか。 しかし恩田の場合はそれが過剰にすぎるがゆえに、突飛な行動を取り、それが波紋を広げていく。 「嫌われた(かもしれない)」という勝手な思い込みと、不要な取り繕い。 美しい外見とアンバランスな精神の未熟さが、次にどんな行動を起こすかわからないという、痛々しいドキドキ感を読者に与えます。 コメディ描写も あらすじだけ見ると、非常にサイコな「マイナス」。 実際にサイコ要素が強いのですが、しかしそれと相反するようなギャグ風味が、随所に織り込まれているのが独特。 例えば恩田の同僚で、女子高生に興味のある男性教師とのやり取り。 彼に嫌われないために恩田の取った行動は、幼女風な服装を着ること。 「今日から彼女(JK)のかわりになります」と真顔で語る恩田。 ある意味怖いんだけど、シュールな笑いが潜むシーン。 シリアスに突き進むかと思えば、絶妙にギャグを挟んでくるところに、捉えどころのないおもしろみが。 基本的に物語の根本には「怖さ」があるのですが、コミカルな要素がホッとするような、逆に怖さを増幅させるような、不思議な感覚があります。 大きな転換を迎える中盤 そんな物語も、中盤で大きな転換を迎えます。 ネタバレになるので詳細は避けますが、ある生徒との「事件」を経て、「自分の精神を脅かす邪魔者は、排除すればいい」という歪んだ考えに、恩田はたどり着く。 初期とは別人のように、他人を蹴落とし、裏工作により支配していこうと暴走していくその姿。 顔つきも変わり、妖艶な迫力を漂わせていきます。 さらに恩田が起こした事件の秘密を知り、知った上でその悪の魅力に理解を示し、協力者となっていく男子生徒・中村が登場。 彼と同盟を組み、恩田の行動はさらにエスカレートすることに。 過剰なマイナス思考から始まった暴走の行方。 まとめ …といった感じの「マイナス 完全版」全5巻。 発表から20年ちょっと経ったいま読むと、山崎紗也夏さんの初期作品ということもあり、若干の荒さ(粗さ)も感じます。 またその暴力性・残虐性から、現在メジャー誌で連載したとしたら、大問題となる可能性もある内容。 しかしそれを踏まえても、異様な迫力と魅力を持つ漫画。 漫画家・山崎紗也夏さんの美麗な作画が形作られていく過程も垣間見え、いろいろな意味でおもしろい作品です。 なお3巻には、実際に雑誌掲載時に問題となった話を収録。 森で遭難した恩田と女子生徒二人が、偶然出会った幼児を…というストーリー。 この話はじめ、ショッキングな内容を含む漫画なので、決して万人にはオススメしません。 しかし時を経て復刊された本作は、ある意味、サブカル的なポジションに昇華された「怪作」とも言えます。 興味のある方は本書で、20世紀末の雰囲気を感じてみてください。 Kindle Unlimitedは初回利用なら30日間無料なので、単行本を全部揃える勇気が無い…という方はそちらもチェックどうぞ。 Kindle Unlimitedの対象については随時変更になる可能性がありますので、サービス利用時に詳細をご確認ください。

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寄生、精神崩壊。後に自白。マイナス5巻完全版の感想。

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寄生虫さゆり。 精神崩壊の始まり。 出典:マイナス完全版5巻 上の画像の男性は、和田先生。 生徒の保護者と揉めて、発狂していたさゆりを助けます。 どことなく、さゆりにに似ています。 和田先生に助けてもらったさゆりは、これからも自分を助けてもらうために、彼に いきなり結婚を迫ります。 この女は、自分が相手に何をしてもらうかを最優先に考えている事が上の画像からも分かります。 周りが自分を嫌っているという彼女の思い込みは、過剰な被害妄想で、彼女自身が考えているほどではなかったのですが、人に嫌われる素地は元々十分に持っていたようです。 そして、この後、本当に周りから白い目で見られる様になっていきます。 この女、やっぱ最悪だわ。 そうこうしている内に、身辺調査の危機がさゆりに迫ります。 そこでようやく、彼女は事の重大さに気づきました。 「 あたし大変なことしちゃった…!! 」 今さらかよ!! そうつっこまざるを得ない。 彼女は、いつ今までの悪事がばれるかという不安で、どんどんおかしくなっていきます。 やはり、やましい事はしないに限るという当たり前の教訓を教えてくれます。 この後、結局、和田先生にはフラれます。 みんな私を嫌っている。 出典:マイナス完全版5巻 和田先生にフラれ、校長や教頭にも当然見放されたさゆりは、後ろ盾をなくしただけではなく、自分を非難する幻聴にも悩まされる様になります。 そして、それは後に、現実になります。 生徒にもこれまでの関係がばれていると思い込んださゆりは、例の如く例によって暴走します。 もう 完全にメンヘラです。 生徒からの信頼も尊敬も無くした彼女の言う事を聞く者はいなくなり、露骨に無視されます。 特に女子からは。 彼女はこの時点でも、何故自分が嫌われているか分かっていません。 思い悩むさゆりに、女子生徒の陰口が耳に入ります。 「ゼッタイ自分で美人だと思ってるよねー。 」そして、彼女がとった行動は… 出典:マイナス完全版5巻 整形です。 流れ自体は、と同じで既視感がありますが、これは笑えませんでした。 もう既に追い込まれている彼女に、さらなる追い打ちが来ます。 これまでの事が保護者にもばれ、学校に乗り込んできたのです。 自業自得・因果応報とは言え、この場面は読んでいて胸が苦しくなりました。 責任を全て押し付けられた彼女は居場所をなくし、実家に戻ります。 「好きにしろ。 」突き放す父親。 出典:マイナス完全版5巻 「どうすればいいか分からない。 」絶叫する彼女に、父親は、「好きにしろ。 」と突き放します。 そりゃないぜとっつぁん。 と言うのも、さゆりがこんな性格になったそもそもの根本的な最大の原因は、この父親だからです。 詳しくは1巻を読んでね。 さゆりが社会生活を営むのに支障が出るほど、人格形成に悪影響を与えたのに、「もう立派な大人なんだから、好きにしろ。 」と言ってただ突き放すだけ。 読んでいてモヤモヤしました。 しかし、この言葉がこの後、さゆりを突き動かす原動力になりました。 さゆりの運命はいかに。 結末が気になる方は、是非読んでみてください。 キンドルアンリミテッドなら 全巻無料です。

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[完全版]ギフト±(プラスマイナス) 最新刊までのネタバレまとめ

マイナス 完全 版

いよいよ、犯罪者になったさゆり。 邪魔者は消せばいい。 出典:マイナス完全版3巻 上の画像をご覧いただければ、お察しいただけるかもしれませんが、倒れている女子は既にお亡くなりになっています。 そしては犯人はさゆりです。 詳しくは2巻をご覧いただいた方が話がはやいのですが、動機は口止めのためです。 そして、さゆりがこの様な行動に及んだ原因は、現場を発見して呆然としている横田さんです。 ヤベェ奴等が関わり合うと、やはりロクな事になりませんでした。 混ぜるな危険。 もう手遅れだけど。 そして、さゆりは現場を発見した横田さんまで手にかけます。 この直後、横田さんもさゆりの手によってお亡くなりに。 2巻まででも、危険な場面はありましたが、これでまがう事無き 犯罪者になりました。 出典:マイナス完全版3巻 そして、さゆりは気づいたのです。 邪魔者は消せばいい。 この事件以降、さゆりは人から嫌われる事を恐れなくなります。 そして、今まではひた隠しにしていた自己中ぶりを周囲に遠慮せず、押し出すようになります。 そして、本作の作風もこの事件前後で、ガラッと変わります。 事件前はコメディ的な雰囲気も感じられ、ヤバい奴には違いないものの、さゆりの言動にも血の通った人間らしさが残っていました。 しかし、「 邪魔する奴は始末する。 」となってしまったさゆりは、自分に害がない人にまで、危害を加える様になります。 ここまで、胸くそな主人公も珍しいです。 感想を書いておいて何ですが、気分を害したくない方は、読まないで下さい。 しかし、この変わり様は人間の醜さをリアルに感じさせるものでもあります。 私は、結局最終巻まで、一気に読んでしまいました。 主人公は最悪。 でも、最後まで読ませる魅力がマイナス完全版には確かにありました。 被害者・デビッド。 闇堕ちしたさゆりのおもちゃにされます。 出典:マイナス完全版3巻 さゆりにとって特に邪魔者でもないのに、理不尽におもちゃにされたのがデビッドさん。 英語を教えるために、イギリスからやって来ました。 かわいそうな被害者のひとりですが、さゆりの暴虐ぶりからすると、命があっただけマシかも…。 さゆり以外に英語を話せる人がいないのを良い事に、彼女は通訳として、周囲に失礼な暴言を連発します。 もちろんデビッドさんのせりふという事にして。 しかし、デビッドさんはとても常識的で良識のある人です。 全体的にろくでなしばかりの本作において、作中屈指の善人と言ってもいいでしょう。 そして、素直にそれに従った結果、トラブルメーカーのヤベェ奴として周囲に認識されるようになります。 騙されている事が分かったのは、英語ペラペラの帰国子女のおかげ…なのですが、この帰国子女をさゆりが許すはずもなく、当然報復します。 報復の内容は、ここでは書けないので、気になる方は、読んでみてください。 ただし、当然胸くそな内容なので、気分を害したくない方は読まない事をお勧めします。 食料が尽きた一行が口にしたのは… デビッドが帰国して、学校は夏休みに入りました。 帰国するように仕向けたのは言うまでもなくさゆりです。 自分のクラスの生徒が、友達の別荘に行くので、引率としてついていく事にしたさゆりですが、行き先で遭難しました。 そして、遭難した森の中で、あゆみという女の子に出会います。 出典:マイナス完全版3巻 この女の子は結局、亡くなります。 女の子が亡くなるまでのさゆりの言動も最低ですが、亡くなった後の扱いも常軌を逸しています。 この漫画が連載されていた1996年は今よりずっと、表現の規制が緩かったはずですが、それでも、回収騒ぎになるのも、うなづける問題の場面です。 漫画を読んでいて、吐き気を催したのはこれが初めてです。 当時の 作者の精神状態が心配になりました。 この場面がなければ、電子書籍化される事もなかったかもしれません。 類は友を呼ぶ。 中村君との出会い。 出典:マイナス完全版3巻 2学期になって、新キャラの登場です。 中村君に、さゆりは目を付けられてしまいました。 と言っても、いやらしい意味ではありません。 「ただの偽善者ぶった女」と中村君は、さゆりを評します。 中村君も危険人物には違いありませんが、横田さんやさゆりとは違って、自分でブレーキはかけられるタイプです。 そして、観察眼も鋭いです。 そんな中村君の罠にかかって、危機的な状況にさゆりが陥ったところで、3巻終了です。 4巻の感想はです。

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