エンゲージメント 経営。 エンゲージメント:back to basics!

エンゲージメントとは?高める方法や企業の事例などを紹介

エンゲージメント 経営

エンゲージメント、ロイヤルティ、コミットメント、モチベーション、従業員満足度は全て意味が違う! 「エンゲージメント」「ロイヤルティ」「コミットメント」「モチベーション」「従業員満足度」といった言葉が、働き方改革などの影響で様々な場面で使われるようになりました。 従業員の状態や感情などを示すこれらの言葉ですが、実は全て意味が違うことを皆さんはご存知でしたでしょうか? よく誤解されがちな言葉の違いを知り、正しいアプローチをしていくことが、組織マネジメントにおいては重要です。 エンゲージメントを高めることを目的とした施策を打ち立てても、従業員内でエンゲージメントについて誤解があると、目的意識がバラバラになってしまうからです。 本記事では「エンゲージメント」「ロイヤルティ」「コミットメント」「モチベーション」「従業員満足度」の言葉の意味とそれぞれの違いを説明していきます。 エンゲージメント、ロイヤルティ、コミットメント、モチベーション、従業員満足度の意味とは? まずはそれぞれの言葉の意味や定義を確認しましょう。 その後に、類似している言葉の違いが明確になるように比較して考えます。 エンゲージメント(Engagement)とは?• ロイヤルティ(Loyalty)とは?• コミットメント(Commitment)とは?• モチベーション(Motivation)とは?• 従業員満足度とは? 1.エンゲージメント(Engagement)とは? エンゲージメントとは、企業や商品、ブランドなどに対して ユーザーが「愛着を持っている」状態を指します。 わかりやすく言えば、企業とユーザーの「つながりの強さ」を表す用語です。 引用元 上記の定義は、マーケティングにおけるエンゲージメント(Engagement)の説明です。 この定義を人事業務、すなわち従業員エンゲージメントとして置き換えて考えると、従業員エンゲージメントとは、従業員が自社へ「愛着を持っている」状態です。 婚約指輪のことをエンゲージメントリングと言うように、従業員エンゲージメントとは「会社と従業員との間の絆」のこととも言えます。 エンゲージメントが高まれば、会社と従業員が一体となり、共に成長・信頼しながら経営目標の達成を目指す状態になります。 そのため、従業員の潜在的な能力を引き出しながら、高いパフォーマンスを発揮することができます。 2.ロイヤルティ(Loyalty)とは? ロイヤルティ(Loyalty)とは、そのまま直訳すると「忠実」や「忠誠」などと言った意味になります。 似た言葉としてロイヤリティ(Royalty)がありますが、ロイヤリティとは「印税」や「特許使用料」などの権利に関する言葉となるため、会社と従業員の関係を示す言葉としては不適切になります。 会社と従業員の関係でのロイヤルティとは、従業員が会社へ「忠誠」を持って「忠実」に行動している状態と言えます。 会社が圧倒的に権力を持っており、従業員が会社に尽くす状態です。 終身雇用制度や年功序列制度などの会社で良く見られるものになります。 そのため、ロイヤルティは海外企業ではあまり見られない、日本企業の特徴的な社風とも言えます。 3.コミットメント(Commitment)とは? コミットメント(Commitment)とは、「関わり合うこと」「委託」「委任」「公約」「約束」などを意味する言葉です。 ビジネスのシーンでも「取引先とコミットする(約束する)」「プロジェクトにコミットする(参加する、関わり合う)」などの使い方がされます。 会社と従業員の関係でのコミットメントとは、会社が従業員に対して積極的な「関わり合い」を要求し、従業員がそれを承認した状態です。 例えば、経営者が自社の従業員に対して「経営者目線を持て」などと要求した場合に、承認する(コミットする)などの状況が考えられます。 従業員が「経営者目線を持っている」状態ではなく「持つ経緯が外発的である」ことがコミットメントの状態です。 4.モチベーション(Motivation)とは? モチベーション(Motivation)とは、「動機付け」や「やる気」などを意味する言葉です。 モチベーションは、従業員の働く意欲ややる気などに関わる言葉です。 会社と従業員の間には直接は拘らず、間接的に関わってくる概念です。 モチベーションは、従業員一人ひとりの中に生じるものです。 会社が従業員のモチベーションを上げるために「モチベーションを上げろ」と言っても上がりづらく、「これだけの成果を出したら昇進・昇給させる」などの何かしらのキッカケが必要なものです。 モチベーションが上がるキッカケは、個人の価値観によって違い「お金」「社会的地位」「社会への貢献度」「自己成長」など、人によって様々です。 5.従業員満足度(社員満足度)とは? 従業員満足度(社員満足度)とは、従業員が組織で働く上での居心地の良さを指します。 福利厚生や労働環境、上司や部下との人間関係などが要因として挙げられます。 従業員満足度と企業の業績アップに相関関係はなく、必ずしも企業の業績アップに役立つということはありませんが、離職率の改善に効果があります。 エンゲージメント、ロイヤルティ、コミットメント、モチベーション、従業員満足度の違いとは? エンゲージメント、ロイヤルティ、コミットメント、モチベーション、従業員満足度のそれぞれの言葉の意味や定義を確認しましたが、類似している概念が多く、具体的にどう違いがあるのか判然としない方も多いかと思われます。 それぞれの意味の違いを、詳しく確認してみましょう。 エンゲージメントとロイヤルティの違いとは?• エンゲージメントとコミットメントの違いとは?• エンゲージメントとモチベーションの違いとは?• エンゲージメントと従業員満足度の違いとは?• ロイヤルティとコミットメントの違いとは?• ロイヤルティとモチベーションの違いとは?• ロイヤルティと従業員満足度の違いとは?• コミットメントとモチベーションの違いとは?• コミットメントと従業員満足度の違いとは?• モチベーションと従業員満足度の違いとは? 1.エンゲージメントとロイヤルティの違いとは? エンゲージメントにおける会社と従業員の立場は同等であり、ロイヤルティにおいては会社の立場が非常に強い状態であることが違いです。 エンゲージメントは、会社と従業員が共に助け合い、共に成長する状態です。 一方でロイヤルティは、会社が主導となって会社を成長させ、そんな会社に従業員が忠義を尽くしている状態です。 結婚で例えるのであれば、エンゲージメントは夫妻共働きなどでお互いに主導権がある状態、ロイヤルティは亭主関白のような関係であると考えられます。 1970年代、日本の高度経済成長時代には、ロイヤルティが高い社員が多くいることが業績にも良い影響を与えていました。 終身雇用や年功序列制度が一般的であったからです。 現在は、勤める会社はもちろん、働き方についても多くの選択肢があります。 自らの意志で「この会社で働く」と決め、自らの理由で、会社のビジョンを実現しようとする人材、会社と共に自分の未来を描くことができる人材こそ、結果的に一番、力強く、会社の業績に貢献することができるのです。 そのためにはエンゲージメントを高めることが必要なのです。 2.エンゲージメントとコミットメントの違いとは? エンゲージメントは自発的に行動を行うことです。 コミットメントは、外発的に選択を迫られて、行動している状態です。 エンゲージメントは、相手に何かを求めるのではなく、自然と湧き上がってくる状態です。 今の仕事に対するコミットメントが非常に高くても、長期的に、その会社で働くことに意味を見出せず、自分の未来を不安に思っている従業員は多く存在しています。 3.エンゲージメントとモチベーションの違いとは? エンゲージメントとは従業員が自社へ「愛着を持っている」状態、モチベーションとは従業員が「やる気のある」状態であることです。 「お金」や「社会的地位」などにモチベーションを見出している状態の従業員が、必ずしも会社に「愛着を持っている」とは言えません。 4.エンゲージメントと従業員満足度の違いとは? エンゲージメントとは従業員が自社へ「愛着を持っている」言葉、従業員満足度とは従業員が組織で働く上での居心地の良さを示す言葉です。 福利厚生がしっかりしている、職場が清潔で広いなど、居心地が良かろうとも、必ずしも自社への愛着が生まれるわけではありません。 業績を上げるためには、従業員が一丸となって経営目標を達成するなどの、目的意識が必要です。 5.ロイヤルティとコミットメントの違いとは? ロイヤルティは会社に忠誠を示している状態、コミットメントは、外発的に選択を迫られて、行動している状態です。 ロイヤルティがあれば、会社から選択を迫られても基本的にコミットメントを行うため、共に高くなることはよくあります。 ただ、ロイヤルティは「忠誠」といった感情的な概念、コミットメントは「選択」といった行動的な概念と考えると分かりやすいと思います。 6.ロイヤルティとモチベーションの違いとは? ロイヤルティは会社に圧倒的な力があり、従業員は会社に尽くしている状態。 対してモチベーションとは従業員が「やる気のある」状態であることです。 例えば「家族を養う」ことがモチベーションであれば、会社のロイヤルティは高くともモチベーションは会社ではない状態です。 7.ロイヤルティと従業員満足度の違いとは? 会社に忠誠を示していても、働く上での居心地の良さは関係がありません。 例えば、50代の男性が、新卒からずっとお世話になったからと忠誠を示していても、中間管理職で上司と部下との板挟みで居心地が悪いなどの場合が考えられます。 8.コミットメントとモチベーションの違いとは? コミットメントは、外発的に選択を迫られて行動していること、モチベーションとは従業員が「やる気のある」状態であることです。 会社の経営方針や上司の意向に従っていたとしても、モチベーションが「会社の経営方針」や「上司の意向」でなく、「自己成長」や「お金」などになる場合は考えられます。 9.コミットメントと従業員満足度の違いとは? 外発的に選択を迫られて行動していたとしても、働きやすさや居心地の良さは関係がありません。 10.モチベーションと従業員満足度の違いとは? 「お金」や「家族」のために働くモチベーションがある人が、職場に対して居心地の良さを感じるかどうかは関係がありません。 従業員満足度 ES: Employee Satisfaction が上がると、業績もアップする? 「もっと社員の立場を考えよう」「従業員の目線でものを考えよう」という考えは、とても大切です。 しかし、給料を上げることや社会福祉施設を提供するなどの、従業員へのご褒美を充実させることと業績が上がることには、相関性がないことがわかってきています。 従業員満足度が高すぎると、居心地が良すぎることでぬるま湯文化が蔓延し、組織全体のパフォーマンスが下がってしまうこともあるくらいです。 離職率などが高い場合には従業員満足度を向上させる施策は有効ですが、業績を上げるためには、経営目標を共に達成する共通の目的意識を持つ方が重要です。 言葉の意味と違いを知り、アプローチを変えることが大切 「エンゲージメント」「ロイヤルティ」「コミットメント」「モチベーション」「従業員満足度」、それぞれの言葉の意味と違いを知ることで、どのように施策に落とし込むべきかアプローチが変わってきます。 特に事業を成功・成長させていくカギは「エンゲージメント」を向上させ、従業員が会社に愛着を持ってくれることです。 今後本ブログでは、従業員エンゲージメントを高める方法について解説していきます。

次の

エンゲージメント経営 | Link and Motivation Inc. 株式会社リンクアンドモチベーション

エンゲージメント 経営

健康経営度調査でワークエンゲージメントの測定・評価が問われている 2018年度の健康経営度調査から、「従業員や組織の活性度の確認」の設問が追加されています。 主な目的はこれまでの健康経営の実践が企業価値等の向上に寄与しているか、を効果検証するためです。 言い換えれば、「健康経営の実現のために打ち出した施策が従業員1人1人や組織に浸透し、活性化、ひいては生産性向上・企業価値の向上等に活きたものとなっているか」を定量的に評価するステージに入った、ということです。 ワークエンゲージメントとは 「ワークエンゲージメントは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる。 エンゲージメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知である」とシャウフェリらは、ワークエンゲージメントを定義しています。 健康経営は、まず経営層の「健康宣言」が発信されることでスタートを切ります。 しかし、本当に「健康経営企業」といえるためには、『従業員1人1人、また家族にも、自社が健康経営を実践していることで、従業員や家族がそのバックアップや効果を実感し、取り組みの文化として現れていること』ことではないでしょうか。 つまり、健康経営を具現化するためには「人事制度や施策などの会社側からの仕掛け・土台づくり」と「従業員や組織へ、その取り組みが社内全体に文化として浸透する」の両輪の達成が必要、ということもいえます。 ワークエンゲージメントを高めるメリット では、ワークエンゲージメントを高めると、個人や組織にどのようなメリットがあるのでしょうか。 ワークエンゲージメントの高い人材は活力にあふれ、積極的に仕事にかかわるという特徴があります。 先行研究からの報告によると、以下のようなメリットがあることが知られています。 ワークエンゲージメントを高めることは、従業員の健康だけではなく結果として組織の活性化、ひいては企業のイメージ向上、業績向上、といった健康経営の理想郷の具現化となる非常に有益なキーワードといえます。 健康経営度調査からみたワークエンゲージメントの位置づけ 経済産業省の健康経営のフレームワーク 下図:「健康経営銘柄2019選定基準及び健康経営優良法人2019 大規模法人部門 認定基準 」 上では、「3.施策・制度実行」のカテゴリ内である「健康経営の実現に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲージメント」に含まれています。 経済産業省の健康経営のフレームワーク「健康経営銘柄2019選定基準及び健康経営優良法人2019 大規模法人部門 認定基準 」 具体的には、「ヘルスリテラシーの向上」「ワークライフバランスの推進」「職場の活性化」「病気の治療と仕事の両立支援」という項目に分かれています。 どれも、人事総務担当部署が主導となって動く「人事教育」「人事制度」「就業規則」「人事評価」「人事イベント」「福利厚生」などの従業員に対して打ち出す制度・施策に関連する項目が、このカテゴリに位置付けられています。 これまでの健康経営度調査では、それらの制度・施策を「実践していればOK」であったのが、2018年度からは、「従業員のために打ち出した施策が本当に従業員や組織のためになっているか、それにより組織は活性化したかの確認をしているか」まで問われてきたのが、特徴です。 この「従業員や組織の活性化の確認」に関しては、「参加率」「達成率」「参加者のアンケート調査」「健康度やストレス状況、生活習慣の改善状況への定量的な効果」「医療費への費用対効果」「従業員の生産性等、企業業績への影響」という内容になっています。 これまで、従業員満足度調査などを実施されてきた企業も少なくはないはずですので、従業員満足度調査などを活用し、「健康経営に関する施策の反応」を問う設問も追加しておくと、今後の健康経営度調査の回答時に困ることはなくなるのではないでしょうか。 健康経営に効果のある制度・仕掛けづくりの方法が分からない、その施策がワークエンゲージメントにまで達成できるかは自信がない・・・専門家に頼ることも必要です! そうはいっても、昨今の働き方改革にまつわる制度改革・仕掛けづくりなどの会社の仕組みの大変革時期でもあるなか、人事総務部門のリソースは限られています。 上層部からの「戦略的かつ効果の上がる健康経営」の実行のプレッシャーも受けながら、「従業員や組織を活性化するための健康経営の仕掛けづくり」を実践するためには、ある程度の専門知識と実例実績が必要です。 健康経営が盛り上がっている昨今、健康経営支援サービスを提供している業者は多く存在しています。 思い切って、専門家がいる専門機関に相談してみることが健康経営の実現への近道ともいえます。 きっと人事総務ご担当者様の心強い良きパートナーとなってくれることでしょう。

次の

エンゲージメント:back to basics!

エンゲージメント 経営

~この記事でわかること~• 従業員エンゲージメントの言葉の意味• 従業員エンゲージメントの向上で得られる効果• 従業員エンゲージメント向上のための具体的施策と企業事例 従業員エンゲージメントとは? 「従業員エンゲージメント」の意味を知るためには、まず「エンゲージメント」という言葉について知る必要があります。 「エンゲージメント」の意味 もともとエンゲージメントという言葉には「約束」「婚約」といった意味があり、 企業や人、ブランドやサービスなどへの愛着・絆、関係性を指す言葉 です。 本記事の「従業員エンゲージメント」をはじめ、企業とそのカスタマー(顧客)の関係性や信頼度を表す「顧客エンゲージメント」があります。 企業にとっては、どちらも重要なものです。 【関連】 従業員エンゲージメントの定義と構成要素 従業員エンゲージメントは、1990年頃にGE(ゼネラル・エレクトリック)社のジャック・ウェルチ元会長が、企業の継続的な成長のための最優先課題とした事から、世界的に注目されるようになった概念です。 世界140ヵ国以上に社員を抱える世界有数のコンサルティング会社「ウイリス・タワーズワトソン」では、従業員エンゲージメントを以下のように定義しています。 会社・組織が成功するために、従業員が自らの力を発揮しようとする状態が存在していること 【引用】 つまり「従業員エンゲージメント」とは、 組織に対する自発的な貢献意欲 を指します。 この従業員エンゲージメントは、3つの要素で構成されています。 理解度 …企業理念・ビジョンなどへの理解・納得感• 共感度 …組織への愛着心や帰属意識• 行動意欲 …企業の目標達成のため、自主的に貢献しようという意欲 企業理念や目標などが従業員一人ひとりに浸透し、それが理解され「自分ゴト」として捉えられているからこそ、組織への愛着が生まれ、組織の目標達成に自主的に貢献しようと思える環境が醸成されるのです。 従業員満足度との違い 企業と従業員の関係を測る指標の一つに「 従業員満足度 」というものがあります。 これは、従業員が企業の「目標やビジョン」「職場環境」「仕事の内容」「福利厚生・待遇」などについて、どれだけ「満足」しているかを数値化したものです。 先ほどご紹介したように、「従業員エンゲージメント」は企業への理解や共感を保った上での「 自発的な貢献意欲 」を指すもの。 一方で「従業員満足度」は企業がもたらす様々な事柄への満足感、つまり従業員が組織で働く上での「 居心地の良さ 」にフォーカスした指標、という点に大きな違いがあります。 【関連】 日本企業の従業員エンゲージメントは世界で最下位レベル 米国最大の調査会社ギャラップ社は、2017年、エンゲージメントに関する調査結果を発表。 これは全世界1300万人のビジネスパーソンを対象としたもので、「熱意あふれる社員」つまり従業員エンゲージメントの高い社員の割合を国ごとに導き出しています。 少子高齢化により深刻な人手不足問題を抱えている日本で企業が生き残るためには、生産性向上や優秀な人材の流出を防いでいくことが重要 です。 これらに効果のある従業員エンゲージメントは、まだまだ浸透していないものの、 その向上は急務 であると言えるでしょう。 【参考】 従業員エンゲージメント向上によりもたらされる効果 なぜ今従業員エンゲージメントは高い注目を集めているのでしょうか?それは、従業員エンゲージメントがもたらす様々な効果にヒントがあります。 企業への理解や共感、そして貢献意欲を指す従業員エンゲージメントが高まれば、自然と 従業員のモチベーションが向上し、組織の活性化 にもつながります。 それにより、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。 業績の向上 「従業員エンゲージメントが高まっている状態」は、「 従業員の企業への愛着心が強く、企業のために献身的に業務に取り組む姿勢を持った状態 」であると言えます。 このような状態である従業員が増えると、企業全体の士気が高まり、結果として全体のパフォーマンスが上がります。 それにより、業績の向上にも繋がるのです。 従業員エンゲージメントが、「サービス」「品質」「安全性」を高めるという研究結果も出ています。 内部部品・外部部品100万個あたりの品質不良(Quality Errors)が,エンゲージメント指数の低いグループでは5,658 件発生したのに対して,高指数のグループでは僅か 52 件であったという調査報告も存在する 51。 以上の事実を踏まえるならば,EEによって製品・サービスのクオリティ向上が期待できるものと理解しても大過はないであろう。 【引用】 また2018年、株式会社リンクアンドモチベーションは「 従業員エンゲージメントと企業業績 」についての研究を実施。 企業のエンゲージメントスコア(エンゲージメントの偏差値)が1ポイント上昇すると、 営業利益率が0. 035上昇 するという結果も得られました。 【出典】 離職率の低下 従業員エンゲージメントが高まっている状態は、従業員が企業の目指す方向性を信頼し、愛着心や帰属意識を持った状態であるため、 優秀な人材の流出も防ぐことができます。 実際に、アメリカの経営・人事管理コンサルティング会社、CEB社は「従業員エンゲージメントと離職率の関係性」を報告しています。 それによると、 従業員エンゲージメントの低い従業員の離職率が9. 2% にとどまっています。 両者の間には約87%の乖離が見られるため、従業員エンゲージメントはより優秀な人材を自社に留まらせる施策として有効であると考えられます。 【出典】 【関連】 顧客エンゲージメントの向上 従業員エンゲージメントを高めることは、企業とそのカスタマー(顧客)の関係性や信頼度を表す「 顧客エンゲージメント 」を高めることにも繋がります。 アメリカの建設機器大手のFabick CAT社が、「従業員エンゲージメント施策」を実施。 従業員エンゲージメントと顧客エンゲージメントの向上には、相関関係があると言えます。 顧客が製品・サービスを積極的に購入する、繰り返し購入する、知人・友人に積極的に勧めるなどの行動を数値化したもの 【参考】 従業員エンゲージメントの向上施策 「従業員エンゲージメント」の調査や分析を手がけるコンサルティング企業、ウィリス・タワーズワトソン社のグローバル調査によると、従業員エンゲージメントと相関関係の高いテーマの「上位5つ」について、以下の点が挙げられています。 経営トップのリーダーシップ• ゴールや目標の明確さ• 直属の上司• 企業イメージの信頼性• ワークライフバランスと柔軟性 今回は、これらのテーマを元に、従業員エンゲージメントの向上施策についてご紹介します。 ただし、企業の特性ごとにマッチする施策は異なるため、1つのヒントとしてご活用ください。 【出典】 組織のミッション・ビジョンを明確に共有する 冒頭でもご紹介したように「従業員エンゲージメント」は、従業員が企業の目指す方向性やビジョンを信頼、共感した上での、自発的な貢献意欲を言います。 従業員がそのビジョンを信頼するためには、まずその ビジョン自体を明確に、わかりやすく共有する事が必要不可欠です。 会社はどのような方向性で、何を目指しているのか。 そして自身の日々の業務は、そのプロセスのどの部分を担っているのか…など、企業のビジョンを理解する事により、自身の業務を紐づけて捉える事ができ、会社の目標を自分ゴトとして捉える事ができるようになります。 まずは、 経営トップの言葉で、従業員に会社の方向性を指し示すことが重要です。 そして、それが従業員一人ひとりに浸透するよう、施策を講じていきましょう。 具体的には、ビジョンなどが記されたカードを配布したり、社内媒体での定期的な広報、さらにはビジョンなどについて考えるワークショップの開催など、様々な手法が考えられます。 【関連】 社内コミュニケーションの活性化 次に、社内コミュニケーションの活性化です。 企業の戦略や目標を達成するためにはオープンなコミュニケーションが必要不可欠。 どんな些細なことや当たり前と思っていることでも、 発言しやすい環境を構築することが大切です。 役職や部署、属性などに関わらず積極的なコミュニケーションを重ねることで、相互理解が深まり、尊重しあえる関係性が築けます。 これにより、従業員エンゲージメントの構成要素である、会社への「 愛着」や「 帰属意識」も高まるのです。 【関連】 タレントマネジメントの推進 先ほども触れたように、企業によってマッチする従業員エンゲージメント向上施策は異なります。 ただし、従業員が持つスキルや能力を把握し、適材適所な人材配置や適切な人材育成を用いて、その能力を最大化させる「 タレントマネジメント」は、どの企業にとっても重要な施策であると言えます。 従業員が適材適所で業務を行うことができるようになれば、職務に対して興味を持ち、楽しみながら取り組むことができるようになります。 強みや得意分野を担うことは自信にもつながり、成果も出しやすくなるでしょう。 併せて、個々の特性を把握した上で、個別のスキルアップ支援やキャリア開発などを行うことも重要です。 【関連】 部下への権限委譲 また、タレントマネジメントの一環として、 部下に意思決定・提言を行わせる権限委譲も有効な手段のひとつです。 これにより、部下は自分が抱えるプロジェクトを自らコントールし、より強い責任感の元、仕事に集中することができます。 また同時により高い権限を得られる昇進や昇給などを目指しやすくなり、部下の成長にもつながります。 【関連】 評価制度とフィードバック 人は「正当に評価されている」と感じると、仕事への意欲や企業への貴族意識が高まります。 そのため、従業員エンゲージメントの向上には、 透明性が高く納得感のある評価制度も欠かせません。 また、評価制度を整備するだけではなく、 適切なフィードバックを行える環境づくりも大切です。 「自分を認めてもらえている」という自信は人を勇気づけ、自発的な行動へと駆り出してくれます。 そのため、どんなに小さな貢献も見逃さないよう注意しましょう。 欠点ばかりを指摘し、注意する上司は数多く存在しますが、部下がどんなことに成果を出したかを見つけ出す努力や、ポジティブフィードバックを積極的に行うように心掛けることが大切です。 【関連】 ワーク・ライフ・バランスが保てる環境づくり また、従業員が働きやすい環境を構築するため「 ワーク・ライフ・バランス」が保てる環境整備も重要です。 心身ともに健康な状態を保てることで、自身のモチベーション向上や「 この会社でもっと働きたい」といった組織への帰属意識が高まります。 しかし、居心地の良さの指標である従業員満足度ばかりが向上し、従業員エンゲージメントに寄与することがなかったということにならないよう注意しましょう。 【関連】 従業員エンゲージメントと一緒に考えたい「心理的安全性」 ここ近年、従業員エンゲージメントと一緒に話題にあがるのが「 心理的安全性」です。 心理的安全性とは、 チームのメンバーがそれぞれ不安を抱えることなく、自分の考えを自由に発言できたり、行動に移したりできる状態をいいます。 心理的安全性の確保されることにより、メンバーは本来の自分を偽ることなく「 ありのままの自分」でいられるように。 安心して発言できるようになり、チームで協力しあえる関係性が構築されます。 そしてコミュニケーションが活性化し、お互いへの相互理解も深まり、信頼関係が生まれるでしょう。 これらの環境が整えば、 メンバーそれぞれが仕事にやりがいを感じ、主体的な行動が増えていきます。 モチベーションも高まり、結果的に従業員エンゲージメントの向上にも寄与するのです。 このようなことから、従業員エンゲージメントの向上には、心理的安全性の確保が欠かせません。 【関連】 従業員エンゲージメントは持続させることが最も重要 従業員エンゲージメントが高い状態は、一時的なものでは意味がありません。 従業員エンゲージメントが高い状態を持続し続けることが最も重要なのです。 持続可能なエンゲージメントの構成要素 ウィリス・タワーズワトソン社によると、従業員エンゲージメントに、「 生産性高く働ける環境 」と「 心身ともに健康な状態 」という2つの要素を足した状態が「 持続可能なエンゲージメント 」であるとのこと。 生産性高く働ける環境では、業務を行うにあたり必要な権限の委譲(意思決定)や業務量のバランスが影響度が高いとされており、心身ともに健康な状態では、従業員自身が行える業務量を把握・理解できる環境の整備が大切です。 持続可能なエンゲージメントがもたらすもの ウィリス・タワーズワトソン社の2011〜2015年の調査(対象:従業員1〜5万人規模のグローバル企業41社)によると、「持続可能なエンゲージメント」の数値が高い企業は、 ほぼ一貫してそれぞれの業界の成長を上回る業績をあげています。 そして 営業利益率は、エンゲージメントの低い企業の約3倍 にもなるという結果も得られており、「持続可能」である事が業績に直結している事が見てとれます。 つまり、貢献意欲の強い従業員が、居心地の良い環境の中で、心身ともに健康に働き続ける事ができれば、自ずと継続した業績の向上が見込める、という事です。 【出典】 注目したいのは「エンプロイー・エクスペリエンス」 「 エンプロイー・エクスペリエンス 」という言葉があります。 これは、従業員が組織の中で体験する「経験価値」のこと。 仕事や人間関係、健康状態や職場環境に至るまでの様々な要素を幅広く含みます。 従業員エンゲージメントを向上に導く「要因」であると考えられており、欧米で注目を集めている概念です。 「エンプロイー・エクスペリエンス」の詳細については、以下の関連記事をご参照ください。 【関連】 従業員エンゲージメントを経営に取り入れた企業事例 それでは、実際の企業ではどのような施策を行っているのでしょうか。 ここでは、2社ご紹介します。 小松製作所 建設機械日本シェア第一位、世界シェア第二位の小松製作所は2012年より従業員エンゲージメントの強化へ本格的に乗り出しました。 小松製作所がマネージャーを対象に実施した従業員エンゲージメントを高める施策は以下の通りです。 マネージャー層が気を配るべきポイントの明確化(信頼、モチベーション、変化、チームワーク、権限委譲)• プロフェッショナルとして働くための教育研修体形の整備• 柔軟性に優れた育児・介護支援などの充実した休暇制度• 経営陣を含む全従業員に、小松製作所の価値観を記した小冊子「コマツウェイ」の配布• マネジメント層に対する説明会の実施 これらの施策により、マネージャー層および従業員は自社への愛着・共感が強くなり、現場で働く従業員が持つべき考え方や心構えを明確に伝達することに成功にしました。 その結果、小松製作所は2012年度の売上高1兆8849億円から、2014年度には1兆9786億円を達成、売上高営業利益率では11. 2%から12. 2%まで改善することに成功しました。 【参考】 株式会社LIFULL 株式会社LIFULLは、総掲載物件数NO. 同社が、社内カルチャーを作るために重視しているのは「内発的動機付け」「圧倒的当事者主義」という2つの考え方。 また、「薩摩の教え」に基づいた「挑戦した人」を称える風土も大切にしています。 失敗しても成功しても、「挑戦」した人を賞賛する事により、失敗を恐れずチャレンジできる風土を醸成できているのです。 これらに基づき、同社では以下のようなルールや施策を実施しています。 半年に一度の目標設定面談(半年後・3年後・5年後のキャリアを上司と検討)• 異動は、基本的に従業員の自発的な希望(職種や部署異動)を優先• 四半期に一度「LIFULLが世界再考のチームになるには」等のテーマを全従業員でディスカッションするイベントを開催• 社長や役員の日々の考えを週1程度配信する「役員コラム」 他にも、会社のビジョンと、最小単位組織の固有のビジョンや従業員の日々の業務にギャップが起こらないようにする「 ビジョンプロジェクト 」。 そして、子育てや介護や闘病などの背景を抱える社員をサポートする「 もちもちワーキンググループ 」など、複数の有志プロジェクトも積極的に活動しています。 まさに「 圧倒的当事者主義 」が根付いた環境ならではだと言えます。 これらの取り組みにより、同社はForbes JAPANの調査で「従業員エンゲージメントが高い企業(2017年)」の1位、また「組織のエンゲージメントスコアが高い企業(2018年)」でも5位に輝いています。 【参考】 【参考】 【参考】 従業員エンゲージメントの調査方法(サーベイ) 最後に、従業員エンゲージメントの調査方法を紹介します。 エンゲージメントの調査方法 従業員エンゲージメントの調査方法としては大きく2つ、既存の質問事項などを駆使して社内で完結するパターンと、アウトソーシングして一連の流れをプロに任せるパターンがあります。 従業員エンゲージメントを測る形式としては、アンケート形式が一般的です。 アンケートは、スマホやPCなどでいつでもどこでも回答できるスタイルが主流ですが、紙を配布して回答させる手法もあります。 課題によっては、部署・役職・職種ごとなどに調査を分ける事もできます。 調査の大まかな流れは以下となります。 自社の課題を洗い出す• 課題の要因を探るための質問内容を設計• 従業員に質問を投げかけ調査• 調査結果を分析し、その後の対策を練る このPDCAサイクルを回す事により、従業員エンゲージメントの向上に繋げる流れです。 質問項目は、例えば「働きがい」「人間関係」「組織文化」などの項目ごとに、複数の設問を用意しましょう。 アウトソーシングの場合は、アウトソーシング企業が持つ他社のデータなどと照らし合わせ、偏差値を出したり傾向を比較するなど、自社の状況の客観的な把握も可能です。 エンゲージメントを測る12の質問 米国最大の調査会社 ギャラップ社は、組織のエンゲージメントを測る「エンゲージメント・サーベイ」を実施しています。 ここでは、世界1300万人のビジネスパーソンのエンゲージメントを測定するために用いられた、12の質問「Q12(キュー・トゥエルブ)」についてご紹介します。 Q1: 職場で自分が何を期待されているのかを知っている• Q2: 仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている• Q3: 職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている• Q4: この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした• Q5: 上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ• Q6: 職場の誰かが自分の成長を促してくれる• Q7: 職場で自分の意見が尊重されているようだ• Q8: 会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる• Q9: 職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている• Q10: 職場に親友がいる• Q11: この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた• Q12: この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった 【引用】 読んでいくと解るように、企業が用意した職場の環境や、上司やメンバーからの「褒める」「認める」「気にかける」など、外的要因が多い事が分かります。 逆に言えば、企業の努力次第で従業員エンゲージメントを向上させるチャンスは大いにあるという事です。 まとめ• 従業員エンゲージメントは、企業への理解、組織への愛着心、そして自主的な貢献意欲によって構成されます。 従業員エンゲージメントを向上させる事により、離職率の低下だけでなく、業績の向上や顧客エンゲージメントの向上にもつながります。 従業員エンゲージメントを向上させるには、組織のビジョンを浸透させる事、社内のコミュニケーションを活性化させる事、そして「タレントマネジメント」を実施し、従業員一人ひとりの能力を最大化する事も重要です。

次の